つい具体的に話しすぎてしまう人と、うっかり抽象的に話しすぎてしまう人【具体と抽象】

こんにちは、走るとり(@hashirutori00)といいます。

現在、都内でWebデザイナーとして働いています。

 

僕はアニメが好きでよくそのことを友達に話したりするのですが、

友達に延々と話を聞かせたあとに、「話が具体的すぎてまったく理解できない」とか、むしろ「何が伝えたいのか分からなかった」とか、言われたりします。

あるいは話している途中に、相手の視線が泳ぎ始めて「あっ、いま興味ないやつだ…」と感じることもたびたびあります。

悲しいです。

 

永遠に交わらない会話は、何も僕に限ったことではなく、職場の同僚にもSNSでのやりとりでもよく見かけます。

今回の記事では相手との話が合わないときどうしたらいいのかを考察していきます。

 

日常で感じる具体と抽象

先ほどの「アニメの話が友達に伝わらない」を表にするとこんな感じです。

アニメが好きな僕 アニメに興味がない友達
ベテラン声優が出演しているから見て! まずどんな作品かを教えてほしい
作画が素晴らしいから見て!
過去作のオマージュが含まれているから見て!
各話に伏線が仕込まれているから見て!

アニメに興味がない友達に、ストーリーも説明しないまま具体的すぎる内容を説明しているところに会話のナンセンスさを感じますね…。

友達は僕のアニメに対しての熱量には興味がなく、具体的な話よりもまずは抽象的でいいから作品全体の話をしろと思っています。

 

職場で上司が新人ちゃんに資料のコピーを頼んだときはこんな感じになります。

コピーを頼んだ上司 コピーを頼まれた新人ちゃん
経費削減のためのモノクロで印刷してほしい プリンターの初期設定のまま1部だけコピーしてそのまま上司のデスクに置く
経費削減のための両面印刷してほしい
上司とクライアント(2名)用に3部印刷してほしい
ホチギス止めして欲しいデスクに置いて欲しい

「コピーをお願いします」と一言で頼むにしては、上司と新人ではこれほどの解釈の違いが生まれる場合があります。

噛み合わない会話以外にも、考え方や経験値の差から生まれる行動の違いまで見えてきました。

 

具体と抽象の差を埋めるためにどうしたらいいか

新人ちゃんはこのままだと上司から「お前カラーで片面印刷したのか?カラーだと一枚印刷するのにいくらかかるか分かる?そもそも紙一枚の値段はガミガミガミ…」と言われかねません。

こういった指示が抽象的だけれど、具体的な行動が求められるときはどうしたらいいのでしょうか。

 

コミュニケーションで回避する

「なんのためにコピーを取るのか」を上司に聞くことで解決する場合があります。すべての仕事には意味があるなんて言われますけど、目的を明確にしておくといいかもしれません。

 

経験から回避する

仮に新人ちゃんがコピーを頼まれるのがこれで2回目だとしたら、前回の経験を振り返ることでトラブルを回避することができます。「モノクロ印刷は1枚1円って教わったな、ホチキス止めした方が親切だって言われたっけ…」とか。

 

一方で上司も経験の浅い新人ちゃんに対して「すべてを察して行動しろ」というのは無理な話なので、コミュニケーションを取ること・部下と視線を合わせることが必要になってきます。

 

具体と抽象の差コミュニケーションと経験から埋めることができそうです。

 

抽象を理解すると具体に戻れない

コピーの取り方から少し話を変えますが、

新人がデザイン用語やマーケティング用語を覚えるように言われるのはなぜでしょうか。

それはカタカナ用語がかっこいいからではなくて、お互いの共通認識ができあがると、コミュニケーションが格段に楽になるからです。

 

例えばトンマナのことをいちいち、

トンマナは「トーン&マナー」の略で、デザインに一貫性を持たせることなんだよ。イメージカラーをWebサイトに反映させることで企業のブランディングに役立てることもできるんだ。

と説明するのは骨が折れますね。

 

KPIを知っている人たち同士が

KPIはKey Performance Indicatorの略で、「重要業績評価指標」という意味ですよね。KPIは目標達成において達成度を計るための定量的な指標のですが…

とは言わないですよね。お互いがKPIのことを知っていれば、もう「KPIはKPI」として話せば会話は成立します。

 

よく「カタカナ用語ばかり使う人は頭が悪い」的な発言を目にすることがありますが、それは抽象レベルが合わない人たち同士でのみ発生します。

カタカナ用語は毛嫌いされがちですが、お互いに理解している用語であれば、むしろ積極的に使ったほうがコミュニケーションは円滑に進む場合があります。

逆に一度でも抽象を理解すると具体に戻ることができなくなります

 

先ほどのコピーの取り方も、新人ちゃんがコピーのやり方を覚えてしまえば、「コピーはモノクロで両面コピーでホチキス止めする」ということをいちいち指示されなくても、「コピーお願いね」の一言で通じるようになります。

 

理想の姿は具体と抽象を行き来できる人

上司と新人ちゃんのように、人によって具体と抽象のレベルに差があることは当たり前です。

上司の言っていることが理解できないということは、上司の抽象レベルに新人ちゃんが到達していないのかもしれないし、新人ちゃんがうまく働いてくれないのは、上司の指示に具体が欠けているかもしれません。

仕事を丸投げする人は抽象は見えているが具体が見えていないし、目の前の作業に追われている人は具体は見えているけど抽象が見えていません。

理想は、具体と抽象を行き来して、相手はいまこの目線にいるんだなと察知できる人です。そのためには具体を積み重ねて抽象レベルを上げる必要があるのだと思います。

 

ネットでこんな画像をみたことはありませんか。

読んだ本の量に応じて、その人の見える景色が違うということを表しています。

僕はこの読んだ本を「具体」と捉えて、見える景色を「抽象」と捉えました。高い抽象レベルは具体をどれだけ積み重ねるかによって見える景色が変わってくるのだと思います。

残念ながらレベルの低い人は、高いレベルの人の景色を知ることができません。

 

余談ですが、Twitterはそんな抽象と具体を見極めるにはまさに打ってつけのツールだと思います。ほぼ0か100の意見が多く、また1ツイートあたり140文字の制限があるため、とても抽象的です。

0・100のツイートを見たとき、「どうしてその考え方に至ったのか」とか、「この人はどんな具体を積み重ねてきたのか」などを考えると、具体と抽象を行き来するいい練習になると思います。

 

さいごに

上から順に読んでくれた人は途中で気づいたかも知れませんが、『具体と抽象』という本に僕が伝えたかったことが全て書いてあります。

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ちなみに『具体と抽象』で紹介されている「具体と抽象」は以下の通りです。

具体 抽象
直接目に見える 直接目に見えない
「実体」と直結 「実体」とは一見乖離
一つ一つ個別対応 分類としてまとめて対応
解釈の自由度が低い 解釈の自由度が高い
応用が効かない 応用が利く
「実務家」の世界 「学者」の世界

本自体の文章量は多くないですが、内容を理解することは容易くないと思うので、繰り返し何度も読み直すことをおすすめします。

また読む人によって具体と抽象を思い浮かべるシーンはきっと違うと思います。

ぜひデザイン分野だけでなく、さまざまな視点での具体と抽象を楽しんでみてください。

それではまた!