新元号が決まり、いよいよ平成も残りわずか。平成生まれの僕としては少し寂しい気もしますが、令和がどんな時代になるのかワクワクもしますね。
デザイナー界隈でも平成最後の作品づくりとしてさまざまな活動が行われているようです。
今回はTwitterで見かけた『平成最後のフォント』を作ろうプロジェクトに参加してみました。

Contents
『平成最後のフォント』企画の趣旨と参加理由
みんなで1文字づつ作って『平成最後のフォント』を平成最後の瞬間に公開したい。
そして、参加者の皆様とフォント作りの楽しさを分かち合いたい。
僕が企画に参加しようとしたときには既に多くの方がフォントを提出していました。
Twitterで「#平成最後のフォント」というハッシュタグをよく見かけていました。
どれも自由度が高く面白いフォントたちばかり。「平成最後だし」ということと、あとは勢いだけで参加してみました。

自己流フォントを作る上で気をつけたこと
ほぼルールなしの自由度の高いフォント制作ですが、いくつか抑えておかなければいけない点があります。
1.つくるのはあくまでフォント。イラストではない
「かっこいいー!!…でもなんて読むの?」
あくまで作成するのはフォントなので、最低限読めるように原型は残しておきたいものです。
2.細かくしすぎない
フォントなので、大きく拡大することもあれば、逆に縮小して使われることもあります。
(実際どのように使われるかはよく分かってないのですが…本来ならばそう使います)
パスを細かくしすぎるとフォントは潰れて読めなくなってしまうので注意が必要です。
3.正方形で収まるようにバランスよく調整する
タテ長過ぎないか、ヨコ長過ぎないか。完成前にチェックしました。
以上の3点に気をつければあとは楽しいフォント制作のスタートです!
文字の成り立ち、意味、熟語を調べる
いいフォントを作るためにはその文字のことについて知らなければいけない。
今回つくることになった「参」について調べてみました。
「漢字 成り立ち」で検索すれば一発です。あとは「参」に関わる熟語です。
「見参」「参上」など、かっこいい熟語が多い印象の「参」。
それにちなんで勢いのあるフォントを意識してラフを描いていきます。
とにかく手を動かしながら考えてみる
ぐちゃぐちゃ〜っとスケッチブックに描いたフォントたちを晒してみます。
とにかく手が勝手に動く方へ。あまり深く考えずにペンを動かしていきます。





ラフの段階だと線が多いので、脳が無意識に都合のいい線を選んで勝手に理想の姿に見えてしまう、という説をどこかで聞いたことがあります。
ラフの段階でいいなと思っても、実際にペン入れしてみるとそうでもなかった…なんてことはよくあります。
ラフを描くのもほどほどに、Illustratorを使って描いていきます。




(全然ラフと関係ないフォントばかり出来上がってしまった…!)
曲線を描くのがどうも苦手で何度描いても理想のフォントに仕上がらず。
思い切って路線を変更し、多角形を使ったフォントを多めに作ってみました。
「見参」はなんだか忍者っぽいし、平成生まれとしてはカクレンジャーとかハリケンジャーに馴れ親しんだ世代。くないという忍者の武器をモチーフにして作ってみましたが、思ったよりかっこよくなかったのでボツ。
ほぼ直線のみでつくったフォントは面白みが欠けるためボツ。でもこのフォントをベースにしてつくれば理想のフォントが出来るのでは?
いくつか時間をかけて作ってはみたものの、どこか面白みが足りずに制作が行き詰まってしまいました。
二度目の構想を練る。アイデアはゲームから?
ゴールは目前。あと少しの工夫を加えたい、なにか参考になるものは…。
そう考えた僕はゲームのタイトルロゴについて検索しました。
かっこいいフォントを作りたいと思っていた僕にとっては、ゲームのロゴはまさにどんぴしゃ。画像検索ではめちゃくちゃ参考になるフォントたちがたくさん出てきました。

なかでも「閃の軌跡」というゲームロゴの線を伸ばすところにインスピレーションを感じました。かっこいい…。

今回のフォント制作ではカラーNG、最後は黒単色で仕上げなければいけないため、本当に参考になるところは部分的に真似てみました。
人生初のフォント、ここに完成!
制作を開始してから気づけば一週間が経っていました。
細切れの隙間時間を使って作成した「参」はこちらです!

(写真を使ってそれっぽくごまか
だいぶスタイリッシュで、僕の好みの字になりました。伸ばした4本線は上に書いた通り、検索しまくったゲームのタイトルロゴからアイデアを引っ張ってきました。
僕の名前である「走る」や「鳥」という雰囲気もどことなく出ているのではないでしょうか???
モノクロ版はこちらです。

モノクロにしてみてもフォント自体のかっこよさが損なわれないよう、線を揃える、太さを揃える、角度を揃えることに関してはかなり注意を払いました。
「三」の払いの部分はあえて太さを変えてみたり、フォントの見た目の心地よさを、分からないなりにも表現してみたつもりです。
まとめ
以上がはじめてのフォント作りの大まかな流れでした。
感想としては
・Aiで曲線を描く難しさ。修行が必要
・一文字つくるのにかなりの時間がかかった(約一週間)
・フォントへのこだわりが強くなった
・ロゴ制作のときにも役立ちそう
・デザイナーのお祭り感が楽しかった
そんな感じです。
そして、ありがたいことに主催のフロップデザインさんからコメントをいただきました。
かつてない、カッコイイ参です。
— フロップデザイン⌘フォントのデザイナー (@flopdesign) April 7, 2019
「かつてない、カッコイイ参」いただきました!
完成した全員分のフォントは2019年4月30日に公開予定です。
興味がある方はフロップデザインさんのサイトをチェックしてみてください。
デザインのブログーフロップデザインのゆるく創作する個人BLOG
