こんにちは、走るとり(@hashirutori00)といいます。
現在、都内でWebデザイナーとして働いています。
「わたしは寝る間も惜しんで死ぬほど苦しい努力をした!」
僕はTwitter大好き人間なので、その手の意見を日常的によく見かけます。
最初こそは「僕もたくさん苦しい思いをして努力しなければいけないんだな」とネガティブになることもあったのですが、いつしかそう考えるのもしんどいなと思うようになりました。
性格的にも体力的にも、スポ根や精神論は合わないと薄々気づきはじめていました。
だんだんもっと自分にあった正しい努力の仕方、考え方があるのではないかと探していました。
今回は僕なりに正しい努力について考えたことをまとめていきます。
Contents
どうして努力するのか
そもそも、まずは僕(ら)がどうして努力をするのかということを約6ヶ月の間、心底真面目に考えてみました。
・お金を得るため
・部下を指導するため
・家庭を守るため
・恥をかきたくないから
・よき人格者でいるため
・センスがいいと思われたい
・良いものを作りたい
・人の役に立ちたい
・憧れの人がいるから
など、まだまだ無数に書き起こせそうですが、だいたいこの辺りだと思います。
総じて言えるのが、努力は幸せのために必要なのだと思います。もしくは周りの人を幸せにするためにあるのではないかと思います。
…く、くせぇ〜(笑)
でも何回考えてもこれが真理だと思うんです。半年間の間、通勤・退勤の時間を幸せについて本気出して何回考えてみてもこの結果にたどり着きました。
努力をするとはどういうことか
辞書を引くと、努力とは「目標の実現のため、心身を労してつとめること。ほねをおること」と書いてあります。
では”正しい”努力とはなんでしょうか。
マーケティングではよく「売上の方程式」が使われます。
売上=客数×客単価×購買頻度
売上を2倍に増やそうと考えたときに、来客数を2倍に増やそうとか、単価を2倍にして売ろうとするのはとてもハードルが高いです。
客単価を上げる・客数を増やす・購買頻度(リピート率)を上げる、この3つの要素を分解して売上につなげるのが売上の方程式です。
客数・客単価・購買頻度の要素をそれぞれ3割増しにすると考えると
1.3×1.3×1.3=約2.2となります。
極端ですが、もしこれが2×1×1ならかなりしんどい。さらに掛け算なので、どんなに頑張っても客数・客単価・購入頻度のどれかが0であれば売上は0になってしまいます。
そんな方程式があることを踏まえて、実は努力にも方程式が存在します。
努力=量×質×方向性
考え方は売上の方程式と一緒です。
ノウハウを集めても、行動しなければ意味がないし、行動力があっても効率が悪ければ成果は伸びない。野球選手になりたいのにサッカーボールで練習してたら方向性が間違っている。
すごく例えが極端ですが、このようにどれか一つでも欠けると効果が十分に発揮されないどころか、求める結果から遠ざかる可能性もあります。乱暴な言い方ですが、それを無駄な努力といいます。
努力の方向性でいえば、「Will Can Must」に当てはめて考えるといいです。
Will=やりたいこと、Can=できること、Must=するべきこと、というように方向性を探すと見つけやすいと思います。

デザイナーになろうとした人、あるいは既にデザイナーである人にとっては、この円の中心にあるものが「デザイン」だったということです。
それは素晴らしいことで、自信を持っていいことだと思います。
ここまでのまとめ
・闇雲に頑張ることが努力ではない。
・方程式に基づいた努力が必要である。
・努力の方向性はWill Can Mustの中心にある。
プロフェッショナルの定義
努力は幸せのためにあると書きましたが、努力の先に待つステージはその道のプロになることです。
プロの定義とは
・一人前の知識と技能を持っている人
・極端な足手まといにならず、自分も十分に参加して楽しめる水準にいる
・自分の楽しみや生きがいにつながっていて、生活に潤いを感じることができる
・「ものの見え方」が素人や初学者とは明らかに一段上にいること
同じAという事象を見たときに、自分とは全く異なる感性で、文章なりイメージに起こせる人。不思議な安心感すら与える人はプロと呼べるでしょう。
よく就職したらその時点でプロといいますが、お金をもらっているだけでは本当のプロと呼ぶには厳しいかもしれません。時間と労力をかけてものの見え方が変わり、楽しめてこそ初めてプロなのだと思います。
プロになるための近道
プロへの近道は、その分野で何か一つの強みを身につけることです。
Webデザインでいえばバナー、LP、Webサイト、コーディング、ディレクションとさまざまありますが、
その中でも「バナーだったら誰よりも高いクオリティで作れる!」とか「私が作るLPは誰よりもコンバージョンに繋がる!」とか「メンテナンス性の高いコーディングができる!」とか。
何でもいいので、初歩段階で無理やりでも自分の強み、好きなものを作るのがよいです。
それは「好きなものを決めるプロセスそのものが上達を生む」という明確な理由があるからです。
得意なものを一つでも持ち合わせていれば、やりがいが生まれやすく、確実に他の分野でもいい影響を及ぼします。
まずは満遍なく、ではなく、一つの強みを得るところから始めてみましょう。
努力が報われず焦りに襲われたときにどうしたらいいか
一方で頑張り続けてもなかなか成果が出ないときもあります。いわゆるスランプというものです。
そういうときには以下の5つの方法を試してみるといいです。
1.知識の整理
2.技能の安定化
3.技能とコードの連合の密接化
4.チャンク容量の増大
5.コードシステムの高度化
1.知識の整理
英文でいうならばスペルがしっかりと頭に入っている状態です。
自分の持ち合わせている知識の曖昧さは上達を阻害する要因になります。まずは覚えた内容を今一度整理してみましょう。
イラストレーターの綴りってIllustratorだっけ?IIIustlatorだっけ?(そこから!?)
2.技能の安定化
それぞれの技能がいつも安定して同じようにできるようになることを指します。チートシートを見ずにEmmetを打てるようになるとかもそれに当たります。
基礎的技能の繰り返しは、有効になる局面で役に立ちます。
3.技能とコードの連合の密接化
最初はWebページのボタンを作ることしかできなかったけれど、次はその上に置く文章をレイアウトできるようになった。次はそこに枠とイラストをつけて、いずれサイトを作れるようになったとか。
一連の複数の技能が熟達に伴って、ひとつの技能と認知さたり、たくさんの技能が身につく状態を指します。
4.チャンク容量の増大
チャンクとはひとまとまりの断片などを意味します。
車の運転に例えるなら「サイドブレーキを引いて」「ギアをローに入れて」「半クラッチにして」「車が動き出したらブレーキを解除する」…という細かな動作を、「車を発進させる」という1つの処理にまとめるということです。
この一つの処理にまとめる容量を大きくしていくことがチャンク容量の増大につながります。
5.コードシステムの高度化
コードシステムを高度にすることで、コードはそのままでも、コード間の「比較」「組み合わせ」「対照」「参照」「移調」などが楽に行えるようになると、結果的に一チャンクに入る事象のサイズが大きくなります。
以上、5つのポイントはデザインだけでなくどの分野にも通じる努力の方法です。
魔法の言葉を唱える
どれだけ努力しても手応えを感じない、スランプからなかなか抜け出せない人へ贈りたい言葉があります。それが
「後退しなければ前進してる」
です。
スランプは停滞ではあっても降下ではありません。向上心が残っているからこそ、努力が報われず、スランプのように感じるだけです。
成長できずに苦しいと感じる人がいるかもしれませんが、その痛みは怪我ではなくただの成長痛です。
正しい努力とは
本当の努力とは、原理原則に基づくもので、そこには道理と理屈と、ロマンがあるのだと思います。
もしこれを読んでいるあなたが、正当に評価してもらえない環境であったり、人間らしい生活が送れない(!)環境であったなら、一度正しい努力とは何かを考えてみてほしいです。
デザイナーを目指した人の中には、決して安くはない学費を払ってスクールに通った人や、泣く泣く地元を離れた人、長時間かけて通勤している人もいるでしょう。
初期段階でしんどい思いをしたにもかかわらず、念願叶ってデザイナーになった後、なぜ苦しむ必要があるのでしょうか。
僕もまだまだ未熟ですが、未熟な時期は誰にでもあるし、未熟なことは悪ではないと思っています。(未熟を自覚せず抜け出そうとしないことは悪)
未熟を抜け出すために僕たちは健全に「正しい努力」を積み重ねる必要があります。それは後に続く人たちを育てるためにも未熟なうちから努力とは何かを考える必要があるのだと思います。
まとめ
途中で気づいた方もいるかもしれませんが、今回は『上達の法則』という本の一部を抜粋しながら努力について考察してみました。
なんと初版は2002年。
10年以上も前の書籍なのですが、読んでみるとたしかにそうだよねと思う点がいくつも出てきました。この記事では自分なりの考え方も交えて正しい努力を考察して書いたつもりです。
最後に、本に書いてあった「上達を極めるためのステップ」を書いて終わります。
上達を極めるためのステップ
1.反復練習をする
2.評論を読む
3.感情移入をする
4.大量の暗記暗唱をしてみる
5.マラソン的な鍛錬をする
6.少し高い買い物をする
7.独自の訓練方法を考える
8.特殊な訓練方法を着想するプロセス
-1.自分の技能を部分的に強化する
-2.自分の部分的な限界を確認する
-3.洞察を得る
9.独自の訓練から基本訓練に立ち返る
10.なにもしない時期を活かす
本の中では項目ごとに「なぜ必要なのか」が一つずつ丁寧に理由が記載されています。
正しい努力で幸せになりましょー!それではまた!