Twitterやブログでたびたび匂わせていましたが、ZINEという小冊子を制作しました。
この記事ではZINEを作ることになったきっかけ、制作の手順を紹介します。
ちなみにZINEとは…
「ZINE(ジン)」は個人で作った本のこと。名前の由来は「Magazine(雑誌)」の“ZINE”が語源と言われています。
諸説ありますが、1950年代にアメリカの詩人たちが自分たちで詩集を制作したのがはじまりと言われている説が強いです。
ちなみに「ZINE(ジン)」は「リトルプレス」という呼ばれ方もします。「リトルプレス」は少部数で発行する自主制作の出版物のことです。

Contents
ZINEを作ったきっかけはデザイナーイベントにて
約1ヶ月前にmasacaデザイン部のいろいろ会にて、集まったデザイナーたちとZINEを作ろうと企画しました。
WebデザイナーのTakuroさんが過去に制作したZINEを紹介してくれたのをきっかけに、仲良くなった計4人のデザイナーでZINEを作ることに。
ポイントは共同で作るのではなく、各自1冊を制作し、印刷から納品までを行うこと。
4人共都内で会える距離だったため、後日もう一度集まり、具体的にどのようなZINEを作るのかを発表し合いました。ちなみに集まった全員がWebデザイナー、ある意味すごい。
ZINEのテーマを考えてみる
はじめの一歩、ZINE制作に必要なのはテーマです。
ZINEの内容としてよくあるのは写真集、イラスト集、ポートフォリオなどが挙げられます。
テーマについては悩みに悩みましたが、写真もイラストも、人に見せられる作品もないため、書けることは経験談くらいしかありませんでした。
悩み抜いて決めたテーマは、「ランニングについて」です。
以前ほかのブログでランニング愛について書いていたのですが、その内容をZINEに落とし込むことにしました。
テーマ選びのポイントは、自分の好きなことに絞った方がいいですね。そして読者に少しでも興味を持ってもらえる内容であると尚良いかと思います。
肩肘を張る必要はないと思いますが、この2つのポイントは意識しました。
参考にするZINEを探してみた
ZINEを初めて作るにあたっては、参考にするZINEを購入しました。すべての独創は模倣から始まります。
実際に足を運んだのは銀座で開催されたイベント『Tokyo Art Book Fair』と、都立大学駅近くにあるZINE専門店『MOUNT tokyo』です。

『Tokyo Art Book Fair』は海外の方のZINEが多い印象でした。どちらかと言えばグラフィックがメインで、僕が作ろうとしていた文章メインのZINEはあまり置いてなかったです。
写真やイラストをやっている人はかなり楽しめるイベントだと思いました。ちなみに定期的に開催されているようです。

一方『MOUNT tokyo』には日本人の作品が多い印象でした。
そこで参考にするZINEを2冊購入しました。

DESIGN ETHNOGRAPHYさんの『TOKYO ETHNOGRAPHY』と、Takuroさんの『SENTO LIFE』を買いました。
内容も素敵なのですが、制作する身として確認したのは紙の質感、フォントサイズ、構成などです。実際の仕上がりをイメージするために「これでもか!」というくらいに読み込みました。
とにかく冊子を作ること自体が初めてだったので、構成やレイアウトは真似れる部分はどんどん真似ていくつもりでした。

あと自宅にあったランニング雑誌『走るひと』は、我がZINEを作る上でかなり参考にしました。なにせランニングについて書くZINEですから。
フォントやレイアウトも走るひとからパク真似た部分は多いです。
ZINEのサイズ・ページ数を決めた
テーマが決まったのでいよいよZINEを作り始めていくのですが、まずは購入したZINEを参考にサイズ・ページ数を決めていきました。
購入した2冊のZINEがどちらもA5サイズで、手に取った感じもちょうどいいと感じたためサイズはA5ですぐ確定しました。
ページ数については中綴じ印刷の場合、4の倍数でページ数を決める必要があります。16Pか20Pで悩みましたが、最終的にボリュームを見て20Pにしました。
MOUNT ZINEにエントリーした
ZINEを作ろうと決めたあと、さらに『MOUNT ZINE』に出品しようとみんなで決めました。つまり…出来上がったZINEはMOUNT tokyoで実際に販売されます!
これに関してはみんなのノリが良すぎたとしかいいようがありません。
ノリで挑戦したつもりでしたが、
・納品までの締め切りがあるためだらだら作らなくて済んだ
・販売されるため設定金額に見合った内容に仕上げようとする意識が生まれた
・Slackを通して進捗を報告し合い、同じ目標に向けて頑張ることができた
この3つの大きなメリットが生まれました。
たぶん自分一人だけだったら印刷もせず、ただの思い出作りで終わっていたと思います。デザイナーってすごいなぁ、ノリの良さって大事なぁと感心しまくりでした。
あと集まった4人の空気感、これがまた絶妙で。尊敬できる人たちばかりですが、どことなく昔からの友人みたいな雰囲気があって好きです。
ちなみに2019年6月から販売されるので、その際は何かしらで告知していきます。
印刷する紙・色のサンプルを取り寄せた
サンプルは印刷会社のグラフィックから無料で取り寄せることができます。

参考:サンプル請求 – ネット印刷は【印刷通販@グラフィック】
本当に質感にこだわりたい人はお金を出してでもペーパーカタログの総合版を取り寄せてもいいかもしれませんね。
僕はカラーチャート[500ポイント]とペーパーカタログ[無料版]を注文しました。グラフィックは初回登録で500ポイントもらえるので、サンプルは実質無料で取り寄せることができました。
AiでZINEを制作してみる
グラフィックでは入稿用のAiデータがあるので、それをダウンロードして使います。
知っておきたいのはトンボ・塗り足しの知識ですかね。あとはAiを使えれば(クオリティはさておいて)誰にでも作れると思います。
構成としてはクロッキー帳に手書きしたり、実際にAiを開いて文章や写真を当てて考えました。
表紙・裏表紙・・・2P
はじめに・・・2P
内容・・・14P
あとがき・・・2P
合計20P
構成はざっくりこんな感じです。
一番苦労したのはデザインよりも文章でした。なにせ経験談を載せたZINEなので、言い回しを変えてみたり、そもそも文章がおかしくないか何度も読み返しました。
納品直前には非ランナーかつ非デザイナーの妻にも読んでもらい、ちゃんと文章として読めるかも確認しました(死ぬほど恥ずかしかったです)。
最終的に自分語りが満載なZINEに仕上がってしまったのですが…これもいい思い出になることでしょう。。
入稿前にかんたんな印刷確認をする
印刷会社に入稿する前に、実際にプリンターで印刷してフォントの大きさ・色味の確認をしました。
PCのディスプレイで見るのと、実際に紙に印刷して見るのとでは印象が全然違いますからね。印刷したZINEを見て再び調整したものを印刷会社に入稿しました。
まとめ:ここまでやって約1ヶ月
平日の合間を縫って文章を考え、休日にデザインを組んでいき、気づけば入稿用データを作成するまでにおおよそ1ヶ月くらいかかりました。
一つの作品にこんなに時間をかけたことがなかったので、とても作り応えがありました。
次回の記事では実際にZINEの具体的な作り方や、MOUNT tokyoに持ち込んだその後の話を書く予定です。

追記:後編はこちら!↓